高速かつ多彩な色替えを実現、粉体塗装の最前線に立つ丸名工芸
昭和60年創業の株式会社丸名工芸は、金属焼き付け塗装のスペシ……
福島県天栄村に本社を構える株式会社エムケー技工は、創業からわずか20年で49名の従業員を抱える業界屈指の塗装専門会社へと成長を遂げました。その躍進を牽引してきた常務取締役、高橋邦友氏に同社の事業内容や成長の秘訣、今後の展望について伺いました。
―― エムケー技工さんの事業内容について教えてください。
当社は金属塗装の事業をおこなっております。現在は、医療、通信機器、インフラ、配電盤の4つの分野の製品を主に対応しています。
一例として、医療分野では内視鏡の外装カバー、通信機器分野では監視カメラの制御盤やカバー、トラックのバックモニターなどを手がけています。また、国土交通省向けに高速道路の防犯・防災用カメラの塗装などもおこなっています。
インフラ分野では、踏切の遮断機やホームドア、水道管の量水計といった製品の塗装、配電盤関係では、主に2000mmサイズの製品を取り扱っています。
当社の設備は最大約3000mm角まで対応可能ですが、作業効率を考慮すると2300mmくらいまでの高さが理想的ですね。
塗装設備は大きく3つに分かれています。第一製造では小物製品を中心にスラットコンベア式乾燥炉と固定炉の設備、多関節ロボットにて溶剤塗装を中心に行っています。
第二製造と第三製造では水洗ブースと固定炉を備えており、特に第三製造では主に粉体塗装を行っています。詳細な設備情報は当社ウェブサイトの主要設備ページでご確認いただけます。
―― 御社の品質管理について詳しく教えていただけますか。
当社の品質管理の要は、膜厚、光沢、色差の3つです。これらを専用の測定器で厳密に管理し、顧客の厳しい要求に応えています。特にメーカー様の仕様は非常にシビアですので、妥協は許されません。
また、当社の強みの一つが、粉体塗装と溶剤塗装を組み合わせた技術です。例えば、粉体塗装で60ミクロンの膜厚をつけ、その上に溶剤で上塗りを施すといった具合です。現在、当社の塗装製品の内訳は、溶剤塗装が約3割、粉体塗装が約2割、残りの約5割が両者の組み合わせとなっています。この多様な技術の組み合わせが、幅広い顧客ニーズに対応できる秘訣です。
―― 創業から20年で大きく成長されましたが、その秘訣は何でしょうか。
一言で言えば、「挑戦し続ける姿勢」です。当社は業界では後発組でしたので、与えられた仕事は決して断らず、他社が敬遠するような難しい案件にも積極的に取り組んできました。納期や品質に関しても、お客様と真摯に向き合い、常に最善を尽くしてきたことが大きな成長につながったと考えています。
また、創業から5年目という早い段階で生産管理システムを導入したことも、成長を加速させた要因のひとつだと考えます。塗装業界では比較的早い取り組みだったと思いますね。
―― 急成長に伴う課題はありましたか?
最も大きな課題は従業員の離職率の上昇でした。一時期は年間で約3割の従業員が離職するという厳しい状況に直面しました。
この問題を契機に、当社は本格的なDX(デジタルトランスフォーメーション)に着手しました。人材育成や組織改革、システムの刷新など、経営のあらゆる面で変革を推し進めました。この取り組みが、現在の安定した経営基盤の構築につながっています。
―― DXについて、製造業の経営者へのアドバイスはありますか?
製造業全体を見ても、まだデジタル化の余地は大いにあると感じています。DXに踏み出すことで得られるメリットは計り知れません。実際に取り組んでみると、思いもよらなかった課題や改善点が見えてくるものです。躊躇せずに一歩を踏み出すことが重要だと考えています。
―― 今後の展望についてお聞かせください。
当社の次なる目標は、品質と納期に対する精度をさらに高めることです。国内の発注案件は非常に高い品質基準が求められますが、そこにこそ我々の付加価値があると確信しています。
我々は顧客企業の単なる下請けではなく、真のパートナーとして認められる存在を目指しています。厳しい要求に応え続けることができる企業こそが、この競争の激しい業界で生き残り、さらなる成長を遂げられると確信しています。今後も挑戦を続け、塗装業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立していきたいと考えています。
【企業情報】
株式会社エムケー技工
常務取締役 高橋邦友氏
福島県岩瀬郡天栄村大字飯豊字大山10-245
TEL:0248-83-2033
FAX:0248-83-2055
https://www.mk-gikou.co.jp