一貫生産システムで部品製造をリード
協三工業株式会社は、金属製品の製造を中心に建築部品、自動車部品、建設機械部品・産業機械部品等の製品において、レーザー切断加工、熔接組立及び各種金属製品加工に関する独自の一貫生産システムを確立した企業として注目を集めています。協三工業株式会社、蓮田章治代表取締役に、事業内容や今後の展望についてお話を伺いました。
―― 協三工業さんの事業内容について教えてください。
当社は、鉄板や型鋼のレーザー切断から溶接、機械加工、塗装、出荷まで、一貫して自社で対応しています。板厚1mmから25mmまでの加工が可能で、主に建設機械や産業機械の部品を製造しています。お客様から図面をいただき、それに基づいて部品を制作し出荷する、という流れです。
業界大手との強固な取引関係
―― 主要なクライアントはどのような企業でしょうか?
建設機械分野では日立建機さんとそのグループ企業、産業機械分野ではトラッククレーンの古河ユニック社とその関連企業が主なお客様です。
内製化がもたらす品質と効率の向上
―― 一貫生産体制の強みについて詳しく教えてください。
当社の特徴は、外注費率が約2%と非常に低いことです。以前は20~30%程度あったのですが、お客様の品質や納期のニーズに確実に応えるには自社対応が最適だと判断し、現在の体制に至りました。
生産から運送まで自社で行うことで、トレーサビリティの確保や管理が容易になりました。また、短納期対応や問題発生時の迅速な対処も可能になり、お客様と当社双方にとって大きなメリットがあります。さらに、社労業務なども内製化しています。
最新設備の導入で生産性を飛躍的に向上
―― 内製化を進めるには設備や人材への投資が必要だと思いますが、どのように取り組んでいますか?
生産効率を高めるため、最新の設備導入に力を入れています。例えば、レーザー加工では24時間無人運転可能なシステムを1993年から導入し、継続的に更新しています。また、新工場では3次元レーザー加工設備を導入し、型鋼加工の自動化を進めています。
設備の導入により、品質の安定化や生産能力の向上だけでなく、従業員の労働環境改善や多能工化の促進にもつながっています。
多能工化で柔軟な人材育成
―― 多能工化について詳しく教えていただけますか?
多能工化とは、1人の従業員が複数の業務をこなせるようにすることです。特定の個人に依存せず、全員が様々な作業に対応できる体制を目指しています。これは、今後の企業運営において非常に重要だと考えています。
OJTと女性活躍で技術継承を促進
―― 多能工化や生産性向上を進める上でのポイントは何でしょうか?
OJT(職場内訓練)に特に注力しています。設備と人の役割を明確に分けたことで、技術継承のポイントが絞りやすくなりました。また、女性技術者も積極的に採用しており、現在3名が活躍しています。全従業員が互いに助け合い、良好な関係で仕事を進められています。
環境への配慮と経営の安定化を両立
―― 環境への取り組みについても教えてください。
工場の電力を太陽光発電でまかなっています。電力コストの変動に対応するため、自社で電力を賄えることは大きなメリットになっています。
SDGsへの取り組みとしても「社会に資する製品の製造」「社員の健康とモチベーションの向上」「地域社会への貢献」と重点的な取組みテーマとしています。
さらなる進化を目指して
―― 最後に、今後の展望をお聞かせください。
お客様のニーズにさらに細やかに対応できるよう、サービスの幅を広げていきたいと考えています。例えば、配電や組み立てまで一貫して行い、お客様が製品を組み上げるだけで稼働できるようなサービスの提供を目指しています。
そのために、さらなる内製化を進め、品質向上や技術力の強化、供給能力の拡大に取り組んでいきます。常に進化し続ける企業であり続けたいと思います。
【 企業情報 】
協三工業株式会社
代表取締役 蓮田章治
<本社>
〒221-0001 神奈川県横浜市神奈川区西寺尾1丁目13番16号
TEL: 045-401-1966 FAX: 045-431-9296
敷地: 442㎡ 建物: 93㎡
<茨城工場>
〒319-1725 茨城県北茨城市関本町富士ヶ丘1270番
TEL: 0293-46-1541 FAX: 0293-46-6074
敷地: 9,529㎡ 工場建物: 3,622㎡ 事務所建物: 685㎡
<太陽光発電所>
〒319-1725 茨城県北茨城市関本町富士ヶ丘1096番
敷地: 15,907㎡ 駐車場: 2,020㎡
太陽光発電所: 5,698㎡ 出力: 418kw