個別対応で新たな価値を創出 株式会社花見川塗装工業の挑戦と展望

千葉県千葉市稲毛区に工場(本社:千葉市花見川区)を構える株式会社花見川塗装工業は、創業から20年以上にわたり粉体塗装に特化し、多様な製品の塗装を手がけてきました。今回は鈴木隆男取締役工場長に、同社の事業内容や強み、そして今後の展望について伺いました。

粉体塗装のスペシャリストとしての事業概要

――花見川塗装工業さんはどういった事業をされている会社ですか?

うちは粉体塗装の専門です。以前は溶剤塗装もやっていたのですが、2004年から完全に粉体塗装に切り替えました。

――現在はどのような製品を主に塗装されているのでしょうか?

主にサーバーラックの塗装が全体の半分を占めています。残りの半分は、マンションの配管カバーや住宅設備の配管、フィットネスセンターのベンチプレスなどの器具の塗装も行っています。

環境に優しい粉体塗装技術とその転換の歴史

――創業当初から粉体塗装がメインだったのですか?

創業当初から粉体塗装がメインでした。昔は塗料の品揃えの関係もあって、ちょっと特殊な色や短納期の依頼に対しては溶剤塗装で対応したこともありましたが、2004年に完全に粉体塗装に切り替えようと決めたんです。社長の決断が大きかったですね。

当時は粉体塗装に特化した会社は非常に少なかったですし、要望もそれほど多くはなかったのですが、環境に対する配慮もあり、この方針で進めることにしました。

小回りの利く対応力が生む競争優位性

――御社の強みについて教えていただけますか?

強みというと、やはり小回りが利くことです。例えば、1個からでも塗装の依頼を受けています。実際にお客様から「1つずつの見積もりをお願いしたい」という依頼が来ることがあります。それに対して、私たちは一つ一つ丁寧に対応しています。

――1つから対応できるというのは、かなり柔軟ですね。色の変更も大変そうですよね?

白や黒など、色の違いがはっきりした塗料の色替えは手間がかかりますね。それでもお客様の要望に応えるためにできる限り対応しています。

新規顧客と個人依頼の増加への対応

――御社では新規のお客様からの依頼も増えていますか?

新規の依頼は紹介が多いですね。営業活動はほとんどしていませんが、口コミで仕事が増えているのはありがたいことです。

――口コミでの依頼というのは、信頼の証ですね。個人のお客様からの依頼もあるのですか?

はい、どこで調べていただいたのかはわからないのですが、個人のお客様からの依頼がいくつかあるんですね。例えば、バイクのシャーシの塗装や車のホイールの塗装などです。個人の方からの依頼でも、可能な限り対応しています。

――業界的に個人のお客様からの依頼も受けるというのはあまり耳にしないですね。特にバイクの塗装などは、こだわりの強い依頼が多いイメージがあります。

そうなんです。かなりこだわりのあるお客様が多いですね。バイクや車のホイールなどは、車体専門の塗装屋さんがいると思うのですが、工業塗装を専門にしている弊社に依頼されるのは非常に興味深いですよね。

ただ、それも私たちにとっては面白い挑戦ですし、対応できるものは何でもやるという気持ちで取り組んでいます。

未来を見据えた成長戦略

――今後の展望について教えていただけますか?

今のところは受託塗装がメインですが、将来的には何か「自社で製品を作って販売したい」と考えています。

例えば、板金を外注して塗装は自社でする。そして直接販売するようなことができればいいなと思っています。ただ、それを実現するにはいろいろな課題もありますが、少しずつ可能性を探っていきたいですね。

併せて、個人のお客様からのちょっとした依頼に柔軟に対応することで、新しい市場を開拓できればと考えています。

個人の方で何か塗装してもらいたい物があるとか、企業の方でちょっとしたサンプルを塗ってもらいたいなどの要望があれば、対応させていただきたいと思っていますので、まずは気軽に声をかけてもらえればうれしいですね。


【企業情報】
株式会社花見川塗装工業
代表取締役 濱尾晴治
取締役工場長 鈴木隆男
本社:千葉県千葉市花見川区柏井町24-1
工場:千葉県千葉市稲毛区長沼原町580-1
TEL:043-286-9311
FAX:043-286-9371

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